割引きっぷを駆使して鉄道で四国一周の旅(その4)

 四国一周は前からやってみたいことの一つであった。しかし、鉄道が通っていない区間もあり、2012年の北海道の時のようなフリーパスだけでは、元が取れない・有効期間が足りない・途中の観光時間がつくれないなど難があった。そこで今回は、旅行会社や現地で発売している割引きっぷと路線バスを使い、途中での観光も挟みながら、できるだけ安く四国一周を果たすことを目的とした旅を計画した。
 4泊6日(1日車中泊)の「割引きっぷを駆使して鉄道で四国一周の旅」の記録。

 4日目は高知市内をぶらぶらして、県南西部の宿毛まで。

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【4日目】
この日の午前中は高知市内の観光。ホテルを出て近くをぶらついてみた。

「咳する坊や」なる店(左上写真)。何屋だ?まだ朝なのでシャッターは閉まっていた。イメージからして薬局かと思ったが、調べたら八百屋らしい。

中心部を流れる鏡川(右上写真)。ところでこの辺の地名は「鷹匠町」だが、以前名探偵コナンで出てきた。たしか高知出身の人と話を合わせるため、新一の母親が自分の出身地だと挙げた場所。ちなみにその隣の「上町」は坂本龍馬の出身地だ。

川沿いを鷹匠公園方面へ。県庁前から延びる通りで市が立っていた(左下写真)。新鮮な野菜や果物から、立ち食いそばまであり、朝から賑わっている。

市場の通りを北へ進み高知城方面(右下写真)。天守と追手門が一緒に写真に収められる城は全国でもここだけだとか。
高知城前停留場近くにある不動産屋の広告(左写真)。右は「高知城」、直進は「私のお城」。高知ギャグ、うまい。

高知の定番観光地にして「日本三大がっかり名所」とも言われてしまっているはりまや橋へ。実際の橋は道路上にあり、この朱塗りの橋はその横に復元されたもの。確かに大したところではない。
 はりまや橋交差点は東西方向と南北方向の路面電車が十字に交差している。さらに右左折する線路もあり、ラッシュ時には電車があっちに行ったりこっちに行ったり、見てて飽きないスポット。ただ、日中は直進がほとんどで1時間に1本北方向⇔西方向に直通があるのみ。車も多く、電車が交差するところを写真に収めるのに苦労した。
 右上の赤い車両は元名鉄の路面電車。2005年の廃止直前に乗りに行ったが、こんなところでもまだ走っていた。ちなみに停留場の電車接近音はファミリーマートの入口が開いた時と一緒。電車が来る結構前からなり始めるので、運転間隔が狭いとほぼ鳴りっぱなし。
バスに乗って桂浜へ。はりまや橋からは周遊バスで40分、路線バスでも30分ほどあり、思ったより海は遠かった。平日だったので海岸も静か。坂本龍馬像は浜にあるようなイメージだったが、浜から少し上がった山の上だった。
高知 13:50発
↓土讃線・
↓土佐くろしお鉄道
↓中村・宿毛線
↓2073D特急あしずり3号
中村 15:31着
昼食を済ませて高知駅へ。今日の移動は短めに、宿毛(すくも)まで向かうこととする。

ここから使うのは「四万十・宇和海フリーきっぷ」(片道・自由席タイプ4,940円)。高知から松山までの片道が利用でき、途中の四万十・宇和海エリアは鉄道とバスが乗り降り自由という、ちょっと変わったタイプのきっぷ。
今回購入したタイプは特急の自由席が利用できるのだが、高知から宿毛まで正規で4,650円(中村から普通に乗換)なので、これだけでほぼ元が取れてしまう、隠れた破格のきっぷだ。
宿毛へはまず特急あしずりで、途中の中村まで。3両編成のうち2.5両が自由席だったが、6〜7割は埋まっておりそこそこの乗車率。ギリギリのところで海側の窓際に着席できた。
鉄道で松山へ向かうには、窪川から予土線に乗り換え宇和島に出ることとなるが、今回は更に海側を回って、フリーエリアにも含まれる土佐くろしお鉄道と宇和島バスのルートを使う。
左上写真は若井を過ぎループ線に入るところ。この旅では初めて山奥に入った。宇和島へ向かう予土線の線路と分岐すると、ぐるっと回って山の下へ。しばらく山あいを走り、土佐佐賀を過ぎると再び海が見えてきた(左中写真)。

窪川から土佐くろしお鉄道の乗務員に変わったが、交代するなり車内で切符の回収を始めた。無人駅で降りる人はともかく、有人駅や中村から先で降りる人の分まで回収して後で分からなくならないのだろうか。私は見せるだけで済んだので問題ないのだが。(後で調べたところ、中村では改札をしていないらしい)

終点の中村までは1時間40分。驚いたことに、途中ではなかなか減らず、多くが中村まで乗車していた。
中村 15:37発
↓土佐くろしお鉄道
↓中村・宿毛線619D普通
宿毛 16:07着
中村では6分で宿毛行きの普通列車(写真左)に接続。現在宿毛まで直通する特急は1.5往復のみ。多くが中村で乗換えとなる。
普通列車は1両のワンマン運転。派手な外装だが、沿線の黒潮町のラッピング列車だ。
宿毛へは30分で到着。土佐くろしお鉄道の線路もここまでで、四国最南端の駅だ。今日はここで宿泊。かなりゆったり行程で終了した。
高架駅で下には観光案内所や売店もある。ちなみに市の中心部は隣の東宿毛が近い。この駅周辺は建物が少なく、最近開発されたばかりという印象。
  駅前には大相撲・豊ノ島関ののぼりが立っていた。ここ宿毛は彼の出身地だそうだ。ちなみに他にも、芸人の間寛平やソプラニスタの岡本知高もここの生まれとのこと。意外にも有名人輩出の街だ。
  まだ16時過ぎで少々時間に余裕がある。かといってこれから足を延ばすには遅い。
駅の観光マップを眺めてみると、今日のホテルと同じ方向に「水車街道」というのがあったので行ってみたのだが…農道脇に水車が二基だけ、しかも飾りだけで片方は回っていない。アジサイの時期に来れば綺麗らしいが。
宿毛のモヤモヤスポットを後にしてホテルへ向かった。

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