ご当地駅メロディー資料館-幻?のご当地駅メロディー
ワケありで計画中止となった「ご当地駅メロディー」を紹介

足立区歌
(JR常磐線・東京メトロ日比谷線北千住駅他 発車)

 2004年9月の東京都足立区議会の中で、区内にある駅の発車メロディーを区歌にして曲を広めてみてはどうかという提案があった。区議会の記録を見る限り、区がJRに問い合わせたところ回答は「個別での対応はできない」というものだったらしく、結局それ以降触れることはなかった。ご当地メロディーは「個別で」対応しているはずなのに、足立区の話だけなぜか聞き流されてしまったことに疑問が残る。
 足立区歌「わがまち足立」は区制50周年を記念して制定された曲。発車メロディーにはならなかったが、現在では市のホームページで携帯電話の着メロ配信を行っており、市民へ曲を広めている。


「ジブリ映画」テーマ曲
(JR中央線東小金井駅 発車)

 東京都小金井市では2005年頃から、市内の東小金井駅と武蔵小金井駅でアニメのテーマソングなどを発車メロディーに流せないかと議論されていた。
 これは市内に「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」などで知られるスタジオジブリをはじめとしたアニメ製作会社が立地することにちなんで、市全体をアニメ色にできないかという提案によるものである。その後武蔵小金井駅では唱歌「さくら」が使われるようになったため、東小金井駅においてスタジオジブリ作品のテーマ曲の採用を検討していた。
 しかしスタジオジブリへこの話を持ちかけたところ、「他でも断っているので承諾は難しい」という返答で、著作権関係がネックとなり交渉が進まなかった。その間に駅の高架化や開業60周年など節目となる年はあったが、この機会を狙って実現することはできなかった。


大森甚句
(JR京浜東北線大森駅 発車)

 東京都大田区のJR大森駅は2006年6月に開業130周年を迎えた。同年10月に記念イベントが開催された際、大森駅の発車メロディーを東京都民謡「大森甚句」への変更することを検討していると明らかにされた。これは地元からの要望を受けてのことで、区観光協会のサイトによれば同年10月14日より使用開始する予定だったらしいが、JRとの調整がつかなかったのか結局実現に至らなかった。
 「甚句」は江戸時代に生まれたとされ、日本各地の多くの民謡で使われている曲形式。「大森甚句」は東京湾大森海岸での海苔漁業の労働歌として歌われていたという。


すいかの名産地
(JR山陰本線由良駅 接近・入線)

 鳥取県北栄町の旧・大栄町地区(2005年旧・北条町と合併)ではすいかの栽培が盛んであり、「大栄西瓜」のブランドでその名を広めようとしている。2007年にこの「大栄西瓜」の栽培開始から100年を迎えたのを記念し、同町で「大栄西瓜100周年記念事業」としてイベント開催を行った。
 その事業内容のひとつに「由良駅の列車接近音を『すいかの名産地』に変更する」という企画があり、町の予算にもこれに関わる費用を計上しJR西日本へ要望を行った。同年5月の使用開始を目指していたのだが、「現時点では困難」とのJRからの回答で事業を見合わせ、結局中止となった。
 聞き覚えはあるものの何を歌っているのかよく分からないこの曲だが、元はアメリカ民謡の童謡で作詞は高田三九三(1906-2001)。彼はこの他「メリーさんの羊」や「ロンドン橋」などを手がけている。歌詞の内容に特に意味は無いらしい。


FC東京
(京王京王線飛田給駅 接近・発車)

 サッカーJリーグ・FC東京のホームスタジアムである味の素スタジアムが京王飛田給駅近くにあることから、2007年3月頃に同駅の駅メロディーをFC東京の応援歌「スタジアムへ行こう」にしてみてはという要望が一部のファンからあった。これにFC東京が応えて京王電鉄に話を持ちかけたが、「安全上の判断から不可」ということで実現しなかった。


Yahoo!JAPAN震災復興企画
(使用駅未定 発車)

 2011年3月11日、戦後最大の被害ともいわれる東日本大震災により、多くの鉄道路線にも被害が出た。インターネット検索大手のヤフーは特集記事「上を向いて歩こう特集」の中で、被災した鉄道路線の復旧支援と駅から復興を応援し「日本を元気にする」という取り組みとして、歌手・坂本九(1941-1985)が歌ったヒット曲「上を向いて歩こう」を駅の発車メロディーとするために、同曲の発車メロディー音源を無償提供するチャリティー企画を打ち出した。
 内容としては、震災により甚大な被害が出た青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉の6県に所在する駅に対しては、本企画へ応募することにより音源を提供。これ以外の都道府県に所在する駅に対しては、Yahoo!JAPANが行う鉄道グッズのチャリティーオークションに参加・出品することで音源を提供する。メロディーは5年間使用することができ、オークションの収益はNPO団体を通じ、津波被害を受けた三陸鉄道や被災地の復興支援に充てられるといったものだった。
 8月2日から14日まで、その後同21日まで期間を延長し募集を行い、当初の計画では震災から半年となる9月11日から使用開始する予定だったが、都合により延期された。現在では企画自体が終了している。

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