ご当地駅メロディー資料館-計画中のご当地駅メロディー
現在実現へ向け作業を行っていたり、案が浮上している「ご当地駅メロディー」を紹介

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星めぐりの歌
(JR東北新幹線新花巻駅)

 岩手県花巻市では、同市出身の宮沢賢治が作詞・作曲した「星めぐりの歌」を、東北新幹線新花巻駅の発車メロディーに採用しようと実現に取り組む。

 童話作家として知られる宮沢は音楽にも高い関心を持ち、この曲は代表作「銀河鉄道の夜」の中にも登場する。2023年は没後90年の節目。これを機に発車メロディーをとおして花巻に関心を持ってもらい、イメージアップと誘客につなげたいと、市内9団体で結成した「新花巻駅発車音メロディー化準備委員会」が市に要望書を提出した。これを受けて市はJR東日本と話し合いをする方針。

 同曲はすでに釜石線ホームで観光列車「SL銀河」の発着時に流れているが、2023年春に運行を終える予定となっている。


「ウルトラマン」シリーズのテーマ曲など
(JR東北本線須賀川駅)

 「ウルトラマン」シリーズで知られる特撮監督・円谷英二氏の出身地、福島県須賀川市では、「ウルトラマン」など円谷作品を生かした観光施策に取り組んでいる。2013年にはウルトラマンの故郷「M78星雲 光の国」と姉妹都市を締結。2020年に策定した「須賀川市観光振興アクションプラン」では“特撮文化”を伝承する観光まちづくりを目指しており、そのなかでJR須賀川駅の発車ベルに円谷作品のテーマ曲を使う案が出されている。まずは駅の利用客へ須賀川の存在を印象付け、市と特撮文化のつながりを知ってもらおうという狙い。短期的施策と位置づけ、2022年度までの実施を目指している。


久喜市の歌
(JR宇都宮線・東武伊勢崎線久喜駅など)

 埼玉県久喜市では、久喜駅など市内にあるJR、東武鉄道の駅の発車メロディーを市の歌「笑顔のまち永遠なれ」に変更するよう要望を続けている。

 歌の活用と市のPRが目的。歌は2012年、同県出身でロックバンド「ゴダイゴ」のメンバー、タケカワユキヒデ氏が制作した。地元さいたま市の歌「希望(ゆめ)のまち」も手掛けたタケカワ氏は歌の定着を図るため自ら発車メロディーへの採用を提案し、市内のJRの駅で流されている。「笑顔のまち永遠なれ」も同様にタケカワ氏が発車メロディー音源を用意しており、いつでも採用できる状態であるという。

 市によると、JR東日本は現在、市の歌など地域が限定された曲は基本的に採用しない方針だという。東武鉄道では変更できる可能性はあるものの、安全に支障をきたさないよう厳しい条件になるとの回答だったという。加えて費用面での課題や、鷲宮駅では同市ゆかりのテレビアニメのテーマソングを、栗橋駅では近隣の加須市出身の作曲家・下総皖一が手掛けた童謡の採用を求める声もあり、実現には至っていない。


下総皖一作品
(JR宇都宮線栗橋駅、東武伊勢崎線加須駅など)

 埼玉県加須市出身の作曲家・下総皖一(しもおさ かんいち・1898-1962)が手掛けた童謡や唱歌を、市内にある東武伊勢崎線などの駅の発車メロディーにしようと、地元団体などが活動している。

 下総は市東部の旧・原道村の生まれ。「たなばたさま」「花火」「電車ごっこ(編曲版)」といった童謡や唱歌、県内の小中高校歌など幅広い曲を手掛けた。彼の功績を知ってもらおうと、2016年に市民団体「下総皖一を偲ぶ会」が発車メロディー化を求める2,874名分の署名を市に提出。これを受け市は、加須駅など市内の東武鉄道4駅と、彼の出身地に近い近隣の久喜市にある栗橋駅での採用を目指し、JR東日本や東武鉄道に対し要望を行った。

 東武鉄道によると、地元での知名度や同社の営業活動に寄与できるかなどの条件をクリアできれば個別に対応するという。一方、栗橋駅は久喜市からの要望が必要なこと、同市も別の発車メロディーに関する要望を出していることもあり実現は厳しいと見方である。


松竹映画の音楽
(JR東海道線など大船駅)

 神奈川県鎌倉市大船には、かつて映画配給大手の松竹大船撮影所があった。それまでの蒲田撮影所(東京都大田区)に代わり1936年に開設された大船撮影所では、人気シリーズ「男はつらいよ」などの製作が行われ、街は撮影所と共に大いに発展した。しかし同社の経営悪化で2000年に撮影所は閉鎖。街から撮影所があった痕跡も消えつつある。

 そこで大船を再び映画の街として活気づけようと市民らが立ち上がり、2016年に市民団体「『映画の街おおふな』友の会」を設立した。友の会は大船を映画の街として知ってもらうため、JR大船駅の発車メロディーを松竹映画の音楽にすることを目標の一つとして活動を進める方針。大船撮影所で製作された作品から選曲して、JR東日本や松竹と協議するとしている。


丘を越えて
(JR南武線稲田堤駅)

 神奈川県川崎市では、JR南武線稲田堤駅の発車メロディーを歌謡曲「丘を越えて」に変更することを検討している。この曲は1931年に藤山一郎(1911-1993)が歌ってヒットした曲。もともとは作曲家・古賀政男(1904-1978)が、母校である明治大学のマンドリン倶楽部のために合奏曲としてつくった「ピクニック」という曲で、倶楽部の後輩とともに稲田村(現在の川崎市多摩区の稲田堤周辺)へハイキングに訪れたのがきっかけで生まれた。ハイキングから帰り、下宿先で脱いだ帽子に付いていた一枚の桜の花びらからメロディーが浮かんできたという。のちに、作詞家・島田芳文(1898-1973)による群馬県北軽井沢の浅間牧場の風景をモデルにした歌をつけて「丘を越えて」として発表された。

 地域住民からの声を受け、市は既にJR東日本へ要望を行っている。同駅では2022年9月頃に橋上駅舎が完成する予定であり、市はこれにあわせて変更できるよう検討していく方針である。


曲未定
(JR北陸新幹線加賀温泉駅)

 石川県加賀市では、2023年度末に開業予定の北陸新幹線加賀温泉駅でオリジナルの発車メロディーを流すことを検討している。加賀温泉郷への玄関口となる駅で地元の自然や文化を感じてもらうのが狙い。2020年4月に行われた検討委員会で、「駅舎デザインに合う、ゆったりとした和のイメージ」「他駅との差別化のため、リズミカルで明るくうきうきする曲調」「水のような癒しを感じる音」の3つのテーマごとに候補となる音源を制作することとなった。メロディーの制作は、NHKEテレの番組テーマ曲などを手掛ける市在住の作曲家・名取将子氏が担う。

 一方、石川県では、新駅を核とした誘客に取り組むため、隣の小松駅(小松市)とともに県ゆかりの著名なアーティストに作曲を手掛けてもらう方針を示している。

 北陸新幹線では2015年の長野〜金沢間延伸開業の際、全駅で地元にゆかりのある曲や作曲家が制作した曲が発車メロディーに採用され話題となった。この際はJRが音頭をとって提案を受け付けたことから、今回も同様の対応なら他の自治体も追従する可能性がある。


曲未定
(JR北陸新幹線福井駅)

 福井県福井市では、2023年度末に開業予定の北陸新幹線福井駅でオリジナルの発車メロディーを流す。2019年から関係機関と協議を重ねている。2020年に市が発表した観光振興計画よると、現在のところ、在来線ホームで使われている楽曲「悠久の一乗谷」を活用する方針。この曲はヴァイオリニスト・葉加瀬太郎氏が、市内にある特別名勝「一乗谷朝倉氏遺跡」をイメージしてつくった。葉加瀬氏は遺跡の魅力を発信する「一乗谷DISCOVERY PROJECTメンバー」の第1号に任命されている。


曲未定
(JR北陸新幹線越前たけふ駅)

 2023年度末に福井県越前市に開業予定の北陸新幹線越前たけふ駅では、オリジナルの発車メロディーが採用される予定。メロディーを手掛けるのは、世界的に活躍する現代音楽作曲家・細川俊夫氏。毎年市内開催される武生国際音楽祭の音楽監督や、市のふるさと大使を務めている縁で決まった。市のPR事業のひとつとして位置づけ、既にJR西日本と協議を進め、制作にかかわる費用を予算計上している。


曲未定
(JR北陸新幹線敦賀駅)

 福井県敦賀市では、2023年度末に開業予定の北陸新幹線敦賀駅で「ご当地発車メロディー」を採用する。敦賀駅は開業時点で新幹線の終着駅となり、大阪・名古屋方面の特急列車との乗り換え拠点となる。市民や観光客などに親しみを持ってもらうとともに、市のイメージアップを図るのが狙い。楽曲は2021年9月10日まで市ホームページなどで応募を受け付け、2022年3月頃までにJR西日本などと調整して決定する。

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