1.ご当地駅メロディーとは?「ご当地駅メロディー」とは、駅のホームで列車の接近や発車を音楽で知らせる「接近メロディー」や「発車メロディー」などに、その駅が所在する地域に関連した楽曲を使用したものをいう。当サイトで使用している「ご当地駅メロディー(ご当地駅メロ)」という名称は、決まって広く使用されている言葉ではないが、近年では駅で流れるメロディーを総称した「駅メロディー(駅メロ)」という言葉が広まってきたこともあり、メディアでもよく使われるようになった。2.ご当地駅メロディーのねらいご当地駅メロディーは、駅で列車の接近・発車時に必ず聞くことができる。その駅を列車が通過する場合は別だが、列車が停車する場合、発車時にも車内にいる乗客が聞くことができるため、その地域を曲でアピールすることができる。たとえば誰もが知っている「鉄腕アトム」(使用駅:JR山手線高田馬場駅・JR武蔵野線新座駅)の場合、「ここがアトムの生まれた場所か」と認識してもらえる。「いつでも夢を」(使用駅:JR常磐線大甕〜十王各駅)の場合は、「吉田正(作曲者)は日立出身だったのか」と知ってもらうきっかけとなる。また、全国的にはあまり知られていない「おねぎのマーチ」(使用駅:JR高崎線深谷駅)のように、「乗客が「何だこの曲は?」と疑問に思ってくれるだけでもよい宣伝となる」という考えから採用した曲もある。 以上のように、「ご当地駅メロディー」はその地域の宣伝効果を期待して使用されていることから、新しい形の「地域のCM」である。実際どのくらいの宣伝効果があるかまでは検証されていないが、利用者の間では「○○駅で○○の曲が流れる」などと話のネタにもなっているようだ。 「ご当地駅メロディー」の長所と短所を簡単にまとめてみた。 ◎長所 ○地域のPRやイベント告知と列車到着・発車合図の2役で一石二鳥 ○乗客に地域の名物などを知ってもらうきっかけづくり ○知っているメロディーなら気持ちも和らぐ ◎短所 ○曲が「駅メロディー」として合わない場合がある(曲調やテンポ、曲の長さなど) ○変更に経費がかかる(※1) ○乗客の乗降に支障をきたす恐れがある(※2) ※1…放送装置の工事費・それに伴う人件費・著作権料など。例として「ああ わが戸田市」(使用駅:JR埼京線北戸田〜戸田公園各駅)変更の際は工事費・曲制作費など計35万円、「おねぎのマーチ」(使用駅:JR高崎線深谷駅)の際は工事費20万円程度と著作権料年間31,500円が市の負担となった。 ※2…「乗客が聞き入ってしまう」と言う意味なのだろうか。2000年にJR東海道線茅ケ崎駅で、地域ゆかりのバンド「サザンオールスターズ」の曲を発車メロディーにするよう要望した際、これを理由に取り下げられた(その後2014年10月に変更されている)。 3.メロディーの使用期間一般的に「ご当地駅メロディー」を含め接近・発車メロディーは半永久的に使用されるが、特別な目的をもって使用している「ご当地駅メロディー」は、使用期間を限定している場合がある。「阿波おどりのお囃子」(使用駅:JR中央線高円寺駅)の場合、東京高円寺阿波おどり開催にあわせて毎年8月の1ヶ月間のみ使用された(現在は通年使用)。また、「第三の男」(使用駅:JR山手線など恵比寿駅)の場合、当初2ヶ月の期間限定で使用された。これは好評を得たために、一旦使用を終了したあと再び同曲が使用されている。 4.当サイトでの分類法一般的な「ご当地メロディー」というと、前述のとおりその駅の所在する地域に関連した曲を指すが、当サイトではこのほかイベントなどにあわせて使用される曲を「イベント企画メロディー」、その地域をイメージして駅メロディー用に制作された曲を「イメージメロディー」と呼称し、これらを総称して「ご当地駅メロディー」と紹介している。以下に、当サイトにおけるメロディーの分類や定義を示す。これらの名称は各駅のページで使用している。なお鉄道会社によってその用途や細かい使い方は異なる場合がある。
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