駅間連絡バス・フェリーの旅

四国汽船(宇野〜高松)
情報更新日…2026年6月14日
※記載の内容は基本的に筆者の乗車時点のものです。最新の運行状況等をお確かめください。
●基本情報
運航事業者 四国汽船
運航区間 @宇野港〜宮浦港
A宮浦港〜高松港
所要時間 @15〜20分
A50〜60分(高速船30分)
運航本数・間隔 @16往復/日
A8往復/日(内高速船3往復)
運賃・料金(大人片道) @370円
A680円(高速船1,590円)
主な割引きっぷやサービス なし
主な車内サービス ・自販機(飲料※フェリーのみ)
・Wi-Fi
・テレビ
予約の要否 不要
全国交通系ICカードの利用可否 可(券売機利用)
その他  
公式サイト 四国汽船
●5段階評価
項目 5段階評価 コメント
所要時間 ★★★☆☆ 乗り換え時間除けば鉄道と大差なし
運行本数 ★★☆☆☆ 直島〜高松間が少なく、乗継ぎできるのは実質7.5往復
運賃・料金 ★★★★☆ 鉄道よりやや割安
車内設備 ★★★☆☆ 客室は座席のみ。フェリーは観光仕様
他の交通機関との接続 ★★★☆☆ 高松側は充実。宇野側は鉄道は日中1本/時
●運行ルート(概略)
●鉄道駅と接続する主な発着場所とアクセス
主な発着場所 アクセス
宇野港 JR宇野駅から徒歩5分
高松港 JR高松駅・ことでん高松築港駅から徒歩5分
●乗船の記録
○2026年5月25日(月) 宮浦行き(高松港15:35→宮浦港16:25)、宇野行き(宮浦港16:35→宇野港16:55)
 岡山・宇野と香川・高松を結ぶ「宇高航路」は、国鉄の鉄道連絡船を筆頭に複数社で運航されてきた本四間の代表ルートであった。1988年の瀬戸大橋開通により連絡船は廃止されたが、運賃の安さからカーフェリーはその後も継続して運航されてきた。しかし高速道路の値下げや燃料費高騰などの要因が重なり次々と撤退、最後まで残っていた四国フェリーも2019年に廃止されてしまった。ただ、この間の移動手段が完全に途絶えたわけではない。途中にある直島を経由すれば、現在も船による移動が可能である。四国フェリー廃止の際にもこのルートが代替手段として挙がっていたことから、直行便が廃止された今、このルートが宇野・高松両駅間を連絡する手段として活用できるか、検証してみることとした。

 八栗からことでんを乗り継いで高松築港駅に到着。JR高松駅を横目に、徒歩約5分で高松港に着いた。高松港は直島行きに限らず、小豆島や豊島など周辺の離島への船が頻繁に発着している。今回乗船する直島・宮浦行きのフェリー乗り場は港の北側。なお1日3往復ある高速船は真反対の南側に発着するそうだ。乗船券は、最近になって券売機でキャッシュレス決済ができるようになったとのことでSuicaで購入。ほかクレジット、QR決済などが使用できる。この航路は生活路線としてだけではなく、近年直島が「アートの島」として注目され外国人観光客も増えているというので需要は多そうだ。

 乗船するフェリー「あさひ」は2018年就航。運航距離が短いのでフェリーにありがちな座敷はなく、客室は座席のみだが、モノトーンで落ち着きがありデザインが凝っているのはアートの島らしい。さすがにこの時間から観光は少ないのか、ざっと50名ほどの乗客を乗せ、定刻で出航した。直島に向かって北西に針路をとる。入れ替わりで多種多様なフェリーが入港していき、港町としての賑わいは今も健在だ。5月ながら日差しが強く汗ばむ陽気であったが、デッキが閑散としていたので風を浴びながら事前に買っておいたビールで一休み。瀬戸内海の島々を眺めながら穏やかな時間を過ごせた。

 乗船時間からして中間地点に差し掛かったころ、急に針路を右に変えた。瀬戸内海を東西に横断する航路との交差部で、正面にはいくつもの貨物船が横切っており、それをかわす為の針路変更のようだ。針路右からやってきた貨物船と平行になったところで、今度は貨物船の方めがけて左へ急旋回。貨物船のすぐ後方を横切った。車では左方優先だが、こちらが避けたのを見ると船は右方が優先なのだろうか。

 中間を過ぎると正面右に直島が見えてくる。海岸沿いには「アート」な感じのオブジェも見える。港の西から回り込むように、宮浦へは5分早く到着した。どうもこの便の場合はこのまま折り返し宇野行きになるようで、既に乗船客が待っている。直通運航でも高松では宇野行きの切符は発売していないため、手間ではあるが一度下船し乗船券を買い直しつつ、フェリーターミナル周辺を見て回る。建物はアートの島らしく洗練されたデザインで、外国人の姿も多い。恥ずかしながら私は芸術の方面は不勉強なのでもう少し分かるようになってから訪れてみたい。

 再び乗船すると、さきほどとは打って変わって座席が埋まるほどの混雑ぶり。観光客も姿もあるが、多くは作業着姿。直島には古くから精錬所があり、どうもその工員の退勤と重なったようだ。数が減った宇高間の客を、需要の多い直島経由の便に取り込んで集約したというわけだ。大勢の客を乗せて宮浦港を出航。しかし先ほどと比べて速度が遅く感じる。それもそのはず、ここから宇野まではあと20分ほど。すでに針路の先には宇野の街が見えており、大した時間でもないためか立ち客も見られた。

 まもなくすると宇野港に入港。正面にはこちらとは桁違いに大きな旅客船が停泊している。船尾にはフランス国旗が見え、クルーズの立ち寄りらしい。宇野がクルーズ船の入れる所とは知らず驚いた。おそらく直島などの周辺観光を楽しんでる最中なのだろう。到着の船内放送が流れると、工員ら乗客がこぞって車両甲板へ降りていく。そしてハッチが開くと同時に、我先にと次々と下船していった。今まで乗ってきたフェリーでは見られなかった光景だ。宇野港には定着。宇野駅までは徒歩5分程度で、17時05分発の岡山行きに乗車することもできるが、この日は駅前の旅館にて宿泊。海沿いにある近くの日帰り温泉に浸かり一日を終えた。

 今回は直島での乗り継ぎがスムーズであったため、高松〜宇野間の所要時間は1時間20分、運賃1,050円となった。同じ時間帯で鉄道利用の場合、高松駅15時40分の快速マリンライナーに乗り、茶屋町駅で乗り換えて宇野駅17時12分到着と、所要時間1時間32分、運賃1,660円となるので、鉄道より多少は早く・安く移動できた。しかしながら直島で必ずしも接続が取られているわけではなく、特に高松発着の便は1日8往復のため、乗車機会が限られるのが難点。瀬戸大橋がある今、鉄道・車を問わず単純に本四間の移動のためだけにこの航路を使う利点は見いだせないため、せっかくなら宇野や直島などに立ち寄る機会を作って、観光を挟みながら活用することをおすすめしたい。

●補足
・宇野港、高松港ともフェリーターミナルに売店などはなし。ただし周辺にコンビニや飲食店は多数
・各港ともフェリーと旅客船・高速船で乗り場が異なるため注意
●参考写真

高松港フェリー乗り場

乗船した「あさひ」

客室の様子

展望デッキ

高松を出航

フェリーを横切る貨物船

宮浦に入港

宮浦フェリーターミナル

宇野港に停まるクルーズ船。仏国旗が見える

宇野港に到着

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