駅間連絡バス・フェリーの旅

南海フェリー(和歌山〜徳島)
情報更新日…2026年6月10日
※記載の内容は基本的に筆者の乗車時点のものです。最新の運行状況等をお確かめください。
●基本情報
運航事業者 南海フェリー
運航区間 和歌山港〜徳島港
所要時間 2時間10〜20分
運航本数・間隔 9往復/日(夜行あり、但し1往復は運休中)
運賃・料金
(大人片道)
2,500円
主な割引きっぷやサービス ・Web割(100円引)
・往復(復路0.5割引)
・「好きっぷ」「とくしま好きっぷ」…乗船券と南海電鉄片道がセットで2,500円。徳島港と南海各駅で発売。クレジットタッチ決済でも同様割引サービスあり
主な車内サービス ・自販機(飲料、カップ麺、菓子)
・テレビ
・フリーWi-Fi
・コンセント
・ゲームコーナー
予約の要否 可(ネット)
全国交通系ICカードの利用可否 可(券売機利用)
その他  
公式サイト 南海フェリー
●5段階評価
項目 5段階評価 コメント
所要時間 ★★★☆☆ 大阪・徳島間で比べると高速バスには劣る
運行本数 ★★☆☆☆ 2〜3時間に1本
運賃・料金 ★★★★☆ 「好きっぷ」なら南海電車が実質タダ
車内設備 ★★★★☆ グリーン席、テーブル席、カウンターなど
他の交通機関との接続 ★★★★★ 和歌山側の電車はフェリー発着にあわせ運行
●運行ルート(概略)
●鉄道駅と接続する主な発着場所とアクセス
主な発着場所 アクセス
和歌山港 ・南海電鉄和歌山港駅前
・JR和歌山駅から南海バス160,161系統で約20分、和歌山港駅下車(250円、本数少)
徳島港 JR徳島駅から徳島市営バス4系統で約20分、終点下車(250円、平日20分毎、土・休日30分毎)
●乗船の記録
○2026年5月24日(日) 7便(和歌山港16:20→徳島港18:30)
 「南海フェリー」は紀伊水道を横断し、和歌山と徳島を結ぶ航路。かつては関西と四国をつなぐ主要ルートの一つであった。徳島側の国鉄小松島線の廃止や明石海峡大橋の開通などの環境変化もあり、かつてほどの活況はなくなったようだが、現在も和歌山側では鉄道駅と直結した乗船場、鉄道とのタイムリーな接続と連絡切符が健在で「鉄道連絡船」としての機能を色濃く残す、国内でも貴重な存在となっている。しかし、四国方面の旅行の折にこの初めての乗船を計画していた矢先、2028年3月をもって廃止との発表がなされた。最初で最後の乗船となるかもしれない。

 大阪・なんば駅で連絡乗車船券「とくしま好きっぷ」(2,500円)を購入し、14時20分発の南海特急サザンに乗車。終点の和歌山市駅から各駅停車に乗り換え、15時45分に和歌山港駅に到着。ホームからは乗船する16時20分発の徳島港行きの船が見えた。改札口から続く連絡通路を通ればスムーズに乗船口にたどり着ける。折り返し便の到着と重なり、入れ替わりで徳島からやってきた客が駅へ続々と入っていった。和歌山港駅発着の列車はフェリーの発着にあわせて設定されており、今回は時間に余裕を持ってやって来たものの、1本後のなんば14時50分発の特急に乗れば和歌山港で11分の接続で乗船できる。
 
 出航15分前に改札開始。乗船するのはこの航路で2隻あるうちの比較的新しい「あい」だ。筆者と同じ電車でフェリー乗り場へ向かってきたのは10名もいなかったが、船内に入るとすでに自動車利用の客がおり、日曜日とあって賑わいを見せていた。客室には座席や座敷のほか、カウンター席、ビジネスコーナー席、そして自販機コーナーにはテーブル席もある。特筆すべきなのは「グリーン席」。国鉄連絡の名残であろうが私鉄系列としては非常に珍しいネーミングだ。

 定刻で和歌山港を出航し、早速船内散策。天候に恵まれ、展望デッキに出て青い空の下で涼しい海風を受けながら紀伊水道を横断していく。右には淡路島が、正面の遠くの方には既に対岸の徳島が見えている。残念だったのは売店が閉鎖されており、代替となる自販機もアルコールは使用停止、カップ麺は売り切れとなっていたこと。和歌山港に売店があったもののお土産程度しか品揃えがなく、周辺にコンビニなども見当たらなかったので必要な買い物は道中で済ませておいたほうがよいだろう。

 散策が済んだので、事前に予約購入しておいたグリーン席へ。一般客室よりひとつ上の階にあって、18席のみの全指定制。一般客室と比べ騒音が少なく、ふかふかリクライニングシートで非常に落ち着きがある。船首側にあるので眺望を期待していたところだったが、西日たっぷりの時間帯のためカーテンが閉められていた。とはいえ別途インターネット予約で500円(当日船内発売1,000円)とお手頃なのも好感が持てた。この便では乗船時点では満席となっていた。

 17時25分、針路左側で、徳島を同時刻に出たもう一隻「かつらぎ」とすれ違う。ここでちょうど中間地点。向こうは従来の南海カラーだが、船体は錆が目立ち老朽化を隠しきれていない印象。変わって右側の遠くに淡路島と徳島を結ぶ大鳴門橋が見えた。四国が近づいてきたことを感じさせる。一般客室に戻ると酒盛りで賑わっていたグループも昼寝に入り、出航のころと比べると静かになった。

 陽が傾いてきたころ、正面に見えていた徳島の街並みが大きくなってきた。ほどなく到着を知らせる船内放送と郷愁をそそるテーマソングが流れ、港にどっしり構える高い橋をくぐれば徳島港に到着。ここから徳島駅へは市営バスで約20分だが、終日20〜30分毎と比較的高頻度で運行しているので不便はない。ただこの日は船が約10分早着したため18時50分発のバスまで少し待ち時間ができた。下船の様子を見ると、やはり多くは自動車やトラック利用で徒歩客は少数派。さらに徒歩で下船した客も多くは港に泊めていた車や送迎車に乗り込んでいき、最終的にバスを待つ客は10名程度だった。バスに乗り込み市街に着いたのは19時すぎ。大阪から徳島まで計5時間弱の旅路を終え、今宵の宿へ向かった。

●補足
・和歌山港に売店(土産物)、徳島港に売店・喫茶あり
・グリーン席の当日船内発売は空席がある場合のみ、出航後に受付
・「好きっぷ」利用の場合、一般席は予約不可。グリーン席は席料金のみの予約購入可。

●参考写真

和歌山港ターミナル

四国へ誘う連絡通路

出航を待つ「あい」

座敷

自販機コーナー

グリーン席

展望デッキ

「かつらぎ」と離合

遠くに見える大鳴門橋

正面に夕陽を見ながら徳島港へ入る

徳島港に到着

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