普通列車だけで下関まで行く旅、ただし裏道で……(その4)

 久しぶりに普通列車だけを使った旅行をしてみようと思いこの旅を計画。目的地は本州最西端の街・山口県下関。ただ東海道・山陽本線の最短ルートは、以前の青春18きっぷで鹿児島まで行く旅で乗車済み。そこで今回は中央・関西本線を経由して名古屋・大阪へ向かったり、乗車経験のない中国地方のローカル線を使うなど、マイナー、というかマニアックな「裏道ルート」で下関を目指すことにした。
 総行程は4泊5日、片道乗車券一枚だけを買って、普通列車だけで下関まで行ってきた旅の記録である。

 5日目は飛行機で帰ってくる。

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【5日目】
  さて最終日。帰りは飛行機で帰ることにしているのだが、早めに帰れる便を予約したのであまり滞在時間は用意していない。なんだか味気ない旅行にも思えるが、今回の目的は普通列車でここまで来ること。すでに4日も使っているのだ。下関のランドマーク「海峡ゆめタワー」に上り関門海峡を一望して、下関を後にする。
下関 10:32発
↓山陽本線3410M普通
宇部 11:14着
向かうのは山口宇部空港。下関からなら空港バスを使うのが一般的だが、こんな旅である、ここでも物好きしか使わないようなルートで空港を目指す。
乗車する山陽本線新山口行きは、115系の2ドア4両編成。瀬戸内の海に反射する陽光を表現したという黄色塗装化が進み、今回、山陽本線で黄色以外の車両は1回も見かけなかった。
宇部 11:21発
↓宇部線1840M普通
草江 11:45着
下関から40分、宇部から宇部線に乗り換え。またしても黄色。総武線か。
宇部線は初乗車。2両のワンマン列車で、学校が早く終わったのか学生が多く座席が埋まる程度の乗車だ。
全体的に駅間が短く、各駅で乗降も多い。宇部市の中心部は宇部駅ではなく宇部新川駅周辺で、宇部線は市街地へのアクセス役も務める。化学製品やセメントを扱う大手企業・宇部興産のお膝元でもあり、車窓からはホテルや飲食店が並んでいるのが見えた。単線の宇部線は街中を進み、大通りも踏切で堂々横切った。
市街地を過ぎ、草江という小さな駅で降りた。実はここが山口宇部空港の最寄駅。空港は徒歩10分の距離にあり、駅前の踏切を渡ると、すぐに空港のターミナルビルが見えてくる。

鉄道と接続していない山奥の空港と比べればアクセス良好の環境なのだが、空港には山口各地へ向かうバスが高頻度に発着しているのに対し、宇部線は1時間1本程度の運行で飛行機との接続も考慮していないため使いづらいことから、最寄駅という案内はあまりなされていない。

駅もご覧のとおり空港最寄駅という風格はなく、駅前に自転車が置かれ、そばには民家だけの生活感あふれる無人駅。私のほかに2人下車したが、ともに住宅街に消え、私だけがトコトコ空港へ向け歩いていくだけなのであった。そもそも駅名に「空港」とついていないので、まさかここから空港に行けるとは思われていないのだろう。

私もこの駅の存在は本を見て初めて知った。さすがにこれは言われないと分からない。
山口宇部空港 14:25発
↓JAL294便
羽田空港 16:00着

羽田空港第1ビル 16:28発
↓東京モノレール
↓G1620空港快速
モノレール浜松町 16:45着

浜松町 16:48発
↓山手線1634G各停
新橋 16:51着

新橋 17:04発
↓横須賀・総武線1668S
↓普通エアポート成田
↓(東京から1669F快速
千葉 17:49着

千葉 17:53発
↓外房線281M普通
土気 18:15着
例によって搭乗便まで待ち時間があったので、土産の購入と昼食で時間潰し。山口宇部空港は定刻で出発した。
機内販売のアナウンスが始まると「今日のおすすめ」として折り畳み傘をプッシュしてきた。どうしてそうなる?と思いながらアナウンスの続きを聴くと「羽田はあいにく雨の予報でございます……」。商売上手いなぁ。

アナウンスどおり、羽田に近づくにつれ周りは雲に覆われ窓には雨粒が。高度が低くなったところで雲の隙間から下界が見えた。あら、もう木更津。
羽田に定刻で到着。雨は本降りだ。

地元への空港バスは出たばかりだったので、電車で帰ることにした。
東京モノレールには久しぶりに乗ったが、空港快速だったので飛ばす飛ばす、ちょっと酔ってしまった。


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