阪急路線沿線のイメージ
(阪急京都本線など大阪梅田駅 発車)
大阪を起点に京阪神に路線網を持つ阪急電鉄では、1996年2月27日から梅田(現・大阪梅田、大阪府大阪市)駅において、これまでのブザーに代わり発車の合図にメロディーを採用した。当時、阪急が駅や車内の環境改善を目的に取り組んでいた「ジェントルサウンドサービス」の一環として行われたもので、このほか車内放送の一部省略や文言統一、発車時の車掌による手笛廃止を実施した。
メロディーの制作は作曲家の鎌田浩宮氏。梅田駅は京都本線、宝塚本線、神戸本線の主要3路線が発着していることから、路線ごとに沿線や目的地のイメージにあわせた曲になっている。鎌田氏によると京都線は「古都」「竹」、宝塚線は宝塚歌劇のような「高級感」、神戸線は「海」のイメージでと阪急から依頼されたことから、そこから発想を膨らませ、順にアナログシンセサイザーのような音色、テーマパークにある仕掛け時計、アコースティックギターの音色を想像して作曲。どこにもないような発車メロディーにしたかったという。メロディーは以前の自身の作品から引用したものもあり、京都線は「theme
for AT SCHOOL」、宝塚線は「魂を、鎮める」が元になっている。
なおどの曲も最後にはブザーのような長音が続くが、これは乗務員に対しドアを閉めるタイミングをわかりやすくするためだという。これも阪急からの依頼だったそうだが、これまでの発車ブザーとの違いを出すため、できるだけ音楽的に仕上げられている。このブザーは、最終電車では駆け込みの客を待つ分だけ長く鳴らされる。
ちなみにこれらの曲は、2000年に大阪府と財団法人大阪21世紀協会が行った「21世紀に残したい音風景」として一般公募された「大阪の音風景」で、爽やかさ・うるおい・癒しなどを感じる「快適音空間」の部門で選定されている。
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