あしたの風とひとつになって
(JR常磐線高萩駅 発車)
茨城県高萩市のJR常磐線高萩駅では、「あしたの風とひとつになって」という地元ゆかりの曲が2013年11月1日から発車メロディーに使われている。
現在の同市出身で江戸時代の地理学者・長久保赤水(1717-1801)は1779年、日本で初めて経緯線が入った日本地図「改正日本輿地(よち)路程全図」をつくった人物である。およそ40年後にはより正確な伊能忠敬(1745-1818)の地図が出版されたが、忠敬の地図は幕府が重要機密としていたため、明治初めまではこの赤水の地図が一般に広く使われていたという。
市はこの地元出身の偉人の功績を伝えようと、2012年11月に駅前に赤水の銅像を建立。これを記念してつくられたのが「あしたの風とひとつになって」。歌詞は一般公募により選ばれ、同市出身で赤水の遠縁にあたる音楽家・長久保徹氏と、元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のトロンボーン奏者、カール・ヤイトラー氏が作曲。「市民が夢と希望を持ち赤水のように努力すれば、やがて必ず素晴らしい人生が待っている」というメッセージが込められている。
同市の要望を受け、駅に愛着や馴染みを持ってもらうことを目的に発車メロディーに採用した。下りのバージョンはサビ部分で、原曲でピアノを担当した西本明氏が、上りのバージョンは間奏のトロンボーンソロ部分で、ヤイトラー氏がそれぞれ演奏している。
|