オリジナルメロディー
(JR九州新幹線各駅 発車)
JR九州では、2011年3月12日に九州新幹線(鹿児島ルート)の博多〜鹿児島中央間が全線開業したのにあわせて、博多駅を除く各駅でオリジナルの発車メロディーを採用した。
メロディーの制作は株式会社音楽館の代表取締役で、音楽家の向谷実氏。5拍子と6拍子を組み合わせた変則的なリズムが特徴のメロディーになっている。これは向谷氏が考える「奇数拍子だと同じところに立ち止まりにくい」という心理を利用してスムーズな乗降を促しつつ、その後に続く偶数拍子で安心感を与える狙いがあるという。これに加えて優等列車の豪華さや、これから旅が始まる高揚感も表現した。なおJR九州からの要望を受けて、熊本駅では「おてもやん」、鹿児島中央駅では「おはら節」といったそれぞれの県の代表的な民謡をモチーフにしたメロディーとし、他の駅にはない特徴でご当地感を演出している。
向谷氏はかつてフュージョンバンド「カシオペア」のキーボード担当として活躍していた。一方で鉄道マニアとしても知られ、九州新幹線の運転シミュレーターゲームの受注がきっかけで、2004年の新八代〜鹿児島中央間の部分開業の際に初めて発車メロディーを制作した。この実績から現在は京阪電鉄や阪神電鉄の駅メロディーなど、鉄道の音に関して幅広く携わるようになった。
※注…「九州新幹線発車メロディ基本パターン」について、JR九州の発表では「九州新幹線『さくら』をテーマに向谷氏が作曲した『The Journey』のアレンジ」とされていたが、のちに発売されたCD「さくら〜九州新幹線全線開業記念BGM」では、「発車メロディのモチーフを展開させ『The
Journey』を作曲した」という主旨の説明がなされている。 |