ご当地駅メロディー資料館
JR北陸新幹線各駅

北陸新幹線E7系
北陸新幹線の「E7系」

北陸新幹線沿線のご当地曲
(JR北陸新幹線長野〜金沢各駅 発車)

 2015年3月14日に開業した北陸新幹線長野〜金沢間では、各駅で地域色豊かな発車メロディーが採用されている。開業を機に楽曲をとおして我が町を知ってもらおうと、沿線自治体が地元のPR策として着目。新幹線でこれほど多くのご当地駅メロが一度に採用されるのは初めてで、新幹線に対する地元の意識と期待の高さがうかがえる(長野駅「信濃の国」は、開業に先立ち同年1月31日から使用開始)。

 JR東日本が管轄する長野〜上越妙高の各駅では、自治体からの要望を受け実現。JR西日本が管轄する糸魚川〜金沢の各駅では、事前に同社が採用方針などを自治体に伝え、楽曲の提案を受け付けた。両社とも「新幹線に親しみを持ってもらいたい」との認識は共通しており、地元の意向を尊重した形だ。

 曲のジャンルは多岐にわたり、地元にゆかりのある唱歌、地域をイメージしたオリジナル曲のほか、尾崎豊、玉置浩二をプロデュースした須藤晃氏、きゃりーぱみゅぱみゅや「Perfume」の楽曲を手掛ける中田ヤスタカ氏など、地元出身の有名音楽家が制作に携わったものもある。

 2024年3月16日には金沢〜敦賀間が延伸開業し、新たな発車メロディーが導入された。地元ゆかりの音楽家、松任谷由実・正隆夫妻やヴァイオリ二ストの葉加瀬太郎氏などの楽曲を採用。新幹線の旅に彩りをさらに加える。

使用駅 曲名 備考
長野〜敦賀
各駅
発車メロディー[動] 曲名は下表を参照

駅名 曲名※ 備考 使用開始日
長野 信濃の国 長野県歌。1900年につくられた県民誰もが知る曲。県の中心駅にふさわしいとして採用。制作は(株)スイッチ、アレンジは福嶋尚哉氏。 2015年1月31日〜
飯山 故郷 長野県飯山市の隣、中野市出身の文学者・高野辰之(1876-1947)が作詞。曲が飯山のイメージに合致し、両市が含まれる地域ブランド「信越自然郷」をPR。制作は(株)スイッチ、アレンジは福嶋尚哉氏。 2015年3月14日〜
上越妙高 夏は来(き)ぬ 新潟県上越市出身の小山作之助(1864-1927)が作曲。田植えやホタルなど初夏の風物を歌っており、曲をとおして地域の美しい自然や文化などをアピール。制作は(株)スイッチで、アレンジは塩塚博
糸魚川 春よ来い 新潟県糸魚川市出身の詩人・相馬御風(1883-1950)が作詞。糸魚川は雪が多く、春が待ち遠しい気持ちを歌っている。
黒部
宇奈月
温泉
煌(きらめき)
〜水の都から〜
富山県黒部市と新幹線開業をPRする地元のイメージソング。元々は2014年に放送された黒部を特集したテレビ番組のテーマ曲。作詞・作曲は富山市出身のシンガーソングライター・高原兄氏
富山 オリジナル曲 「富山の水とガラス」がテーマ。富山は豊富な水源に恵まれ、ガラス製造も盛ん。「豊かな自然に育まれた清流を穏やかに流れる水の調べ」と「ガラスの街が奏でる煌びやかなイメージ」を融合させたメロディー。制作は富山県射水市出身の音楽プロデューサー・須藤晃氏。
新高岡 オリジナル曲 富山県高岡市特産の高岡銅器でつくった仏具「お鈴」で演奏した曲。同市福岡町で継承されてきた、雅楽で用いる打楽器と弦楽器も組み合わせた。市内の国泰寺に伝わる尺八の曲「突引(とっぴき)」がモチーフ。制作・演奏は小矢部市出身の雅楽奏者・太田豊氏。
金沢 オリジナル曲 「金沢の山から海にかけての起伏ある自然条件」「伝統と創造が調和するまち」「北陸新幹線のスピード感と快適性」を表現。制作は石川県金沢市出身の音楽プロデューサー・中田ヤスタカ氏。
小松 陸の翼 石川県観光ブランドプロデューサーを務めるシンガーソングライター・松任谷由実氏と、夫で音楽プロデューサー・正隆氏が制作。
小松は飛行場があることから、駅に降り立つ人や通過する人が、ふと空を見上げて元気になるようなマーチ風のメロディー。加賀温泉は「加賀」という響きと「温泉」 が相まった、いかにも雅で秘めやかな日本の風情が感じられるメロディー。
2024年3月16日〜
加賀温泉 みやびがや
芦原温泉 オリジナル曲 福井県あわら市を流れる竹田川や湧き上がる温泉がコンセプト。光り輝く市の未来に向け、明るく爽やかで、エネルギッシュなメロディー。制作は市出身の吹奏楽曲作家・堀田庸元(よういち)氏。
福井 Symphonic
「悠久の一乗谷」
福井市内にある特別名勝「一乗谷朝倉氏遺跡」をイメージ。遺跡の魅力を発信する「一乗谷DISCOVERY PROJECTメンバー」を務めるヴァイオリニスト・葉加瀬太郎氏が作曲。
越前
たけふ
オリジナル曲 福井県越前市の伝統工芸「越前打刃物」を叩いた音を音響合成技術で編集し、伝統と最新技術を融合したサウンド。「とても明るく弾むようなリズム」「聴くたびに楽しく、ユーモアがあり、嬉しくなる」「旅に出ることがワクワクするようなチャイム」をイメージ。制作は武生国際音楽祭の音楽監督を務める現代音楽作曲家・細川俊夫氏。
敦賀 来い来い敦賀 福井県敦賀市のご当地ソング。地元の音楽家・佐淡豊氏が作曲。明るく爽やかな曲調で、駅のデザインテーマ「煌めく大海から未来へ飛翔」や、新幹線の疾走感を思わせる。制作は(株)スイッチ、アレンジは福嶋尚哉氏。
※駅メロディー用音源の正式曲名
信濃の国…「信濃の国/北陸新幹線「長野駅」駅メロディ」
故郷(下り)…「ふるさと/北陸新幹線「飯山駅」駅メロディB(下り)」
故郷(上り)…「ふるさと/北陸新幹線「飯山駅」駅メロディA(上り)」
夏は来ぬ(下り側)…「夏は来ぬ/北陸新幹線「上越妙高駅」駅メロディA(下り)」
夏は来ぬ(上り側)…「夏は来ぬ/北陸新幹線「上越妙高駅」駅メロディB(上り)」
オリジナル曲(新高岡駅)…「北陸新幹線新高岡駅発車メロディー」
 

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