ご当地駅メロディー資料館
JR松山駅、伊予鉄道松山市駅

松山城と路面電車
市内を走る路面電車と松山城

松山市・ことばのちから
(JR予讃線松山駅 接近/伊予鉄道松山市駅 発車)

 愛媛県松山市は、俳人・正岡子規(1867-1902)をはじめとする多くの文化人を輩出し、夏目漱石(1867-1916)の「坊っちゃん」や司馬遼太郎(1923-1996)の「坂の上の雲」などの小説の舞台にもなっており、文学とのかかわりが深い。そこで市では、人と人をつなぐ「ことば」を大切にしようと、「ことばのちから事業」と題したまちづくりを展開している。JR松山駅と伊予鉄道松山市駅では、この事業で生まれた歌が駅メロディーに使われている。

 2011年4月19日から2015年5月14日までJR松山駅の接近メロディーに使用された「この街で」は、2000年に開催された「だから、ことば大募集」で、21世紀に残したいことばとして市長賞を獲得した作品が元になっている曲。芥川賞作家で「千の風になって」作曲者でもある新井満氏が2005年にイベントで市を訪れた際、この言葉に感動し即興で歌を披露したことがきっかけで生まれた。翌年には全国発売され、その後仲本工事(ザ・ドリフターズ)と三代純歌や、中島啓江(1957-2014)、トワ・エ・モアなどさまざまなアーティストがカバーしている。

 市長が東京へ出張した際、いろいろなご当地駅メロディーが使われていることを知ったのがきっかけとなり、「『松山らしさを前面に打ち出したい』と提案」(読売新聞より)。市とJRの観光施策に関する協定締結を機に実現した。

 2011年6月24日から2015年6月30日までは、伊予鉄道郊外電車松山市駅でも発車メロディーに使用された。こちらは鳴動時間にあわせてメロディーの長さを調整し、曲の途中で終わるアレンジになっている

 2015年5月15日からは新たな観光協定締結にあわせて、JR松山駅の接近メロディーを「春や昔」に変更した。「正岡子規の俳句にメロディーをつけたなら……」という企画から生まれ、新井氏が作曲した交響曲『正岡子規のふるさとシンフォニー』を構成する曲の一つ。駅前に句碑もある「春や昔 十五万石の 城下哉(かな)」をはじめ8つの句にメロディーをつけて歌われている。駅のメロディーは原曲のカラオケ版をそのまま使用している。

(参考:2011年4月20日読売新聞愛媛版)

使用駅 ホーム 曲名 備考 使用期間
JR松山 すべて この街で[動] 現在不使用 2011年4月19日〜
2015年5月14日
春や昔[動] 「正岡子規のふるさとシンフォニー」
から第一楽章(春の歌)
2015年5月15日〜
伊予鉄
松山市
郊外電車
すべて
この街で[動] 現在不使用 2011年6月24日〜
2015年6月30日

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