ご当地駅メロディー資料館
京急電鉄各駅

京急電鉄の車両
京急は東京の品川と神奈川の三浦半島を結ぶ。羽田空港へのアクセスにも多く利用されている

羽田空港駅開業10周年記念・ご当地駅メロディ企画
(京急電鉄各駅 接近・入線 期間限定)

 京浜急行電鉄は、地域のアピールと駅への親近感を感じてもらうため、2018年11月18日から順次、主要17駅の入線メロディー(列車接近案内音)を地元にゆかりのある楽曲に変更した。曲は品川駅を除いて一般に募集し、2177通の応募から選曲。鉄道会社から利用者に曲を公募する初めての取り組みであった。

 注目すべき点はそれだけでなく、曲目がバラエティに富んでいることだ。ダントツで応募数が多かったのは「ブルー・ライト・ヨコハマ」と「横須賀ストーリー」だったそうだが、これまでの駅メロディーにはなかった最近のヒット曲も交じり、若者にとっても親近感がわくものとなっている。新聞やニュース、音楽番組などでも取り上げられ話題となった。ちなみに当初の期間は3年としていたが、好評なことから現在は採用駅を拡大するまでになっている。

 メロディーの制作は(株)スイッチで、アレンジは作曲家・塩塚博氏。なお品川駅、羽田1・2T駅のみアレンジをロックバンド「くるり」の岸田繁氏、編曲を作曲家・福嶋尚哉氏が担当。塩塚氏と福嶋氏はJRの発車メロディーなどの制作経験を持ち、「くるり」はかつて京急のイメージキャラクターとして採用されていた。メロディーは終着駅を除き上下線で違うバージョンになっているほか、京急側の条件で各駅の特性を考慮しメロディーの秒数が個々に指定されたといい、制作時に原曲にはないオリジナル部分を追加するなどの工夫もしているという。たとえば他駅と比べて尺が短い金沢文庫駅の場合、機器の都合でメロディーが鳴り始めてから列車が到着するまでが極めて短いため、数秒のメロディーになっているようだ。

 更にこれと同時に、京急羽田空港(現、羽田1・2T)駅開業10周年を記念して、品川駅では羽田空港行きの接近案内に「空港チャイム」を採用した。国内の空港において構内放送でよく使われているチャイムで、羽田空港行きの列車の到着を分かりやすく知らせることと、羽田空港への玄関口である品川駅のイメージ向上を狙っている。横浜駅でも2013年11月18日頃から使用していたが、2020年10月20日からは一般的な4打チャイムに変更された。

※羽田1・2T駅…羽田空港第1・第2ターミナル駅

使用曲一覧
接近メロディー
駅名 曲名 備考 使用
期間
本線
品川 空港行チャイム[動] 国内の空港で構内放送の際によく使用されているチャイム。
羽田空港行き接近時のみ
08年11月18日〜
横浜 13年11月18日頃〜20年10月19日
入線メロディー
駅名 曲名
(上り側/下り側)
備考 使用
期間
本線・久里浜線
品川 赤い電車
Bメロ/サビ[動]
ロックバンド「くるり」の曲。羽田空港(現、羽田1・2T)駅開業7周年を記念してつくられた京急のイメージソング 09年2月25日〜
青物横丁 人生いろいろ
サビ/Aメロ[動]
品川区出身の歌手・島倉千代子のヒット曲。駅界隈は本人にも思い入れのある場所。生前、メロディーを聴きに突然駅を訪れたといい、絶筆となったエッセーでは駅メロに採用されたことを「私はとても幸せ者」と綴っている 08年12月14日〜
立会川 草競馬
Aメロ/サビ[動]
アメリカ歌曲。大井競馬場の最寄駅 09年1月22日〜
平和島 いい湯だな
サビ/メロ[動]
合唱グループ「デューク・エイセス」の曲。大田区は源泉に恵まれ、都内の温泉施設の先駆けとなった「平和島温泉クアハウス」がある 09年2月25日〜
梅屋敷 さかさまの空
サビ/Aメロ[動]
現在不使用
アイドルグループ「SMAP」の曲。大田区が舞台のNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」主題歌。同じ「梅」つながりから 12年4月9日〜12年10月20日?
京急蒲田 夢で逢えたら
Aメロ/サビ[動]
音楽グループ「ラッツ&スター」の曲。メンバーの鈴木雅之と桑野信義が大田区出身 08年12月11日〜
京急川崎 上を向いて歩こう
Aメロ/サビ[動]
川崎市出身の歌手・坂本九の代表曲
(大師線(1〜3番線)は除く)
08年12月20日〜
生麦 若いってすばらしい
上り/下り[外部]
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現在不使用
歌手・槇みちるのヒット曲で、当時の「キリン一番搾り」CM曲。駅近くにキリンビールの工場がある 09年8月1日〜12年3月30日頃
ニューヨーク・ニューヨーク
上り/下り[動]
1977年のアメリカ映画の主題歌で、同じく当時のCM曲。新CM切替えによる 12年3月30日頃〜
横浜 ブルーライトヨコハマ
サビ/Aメロ[動]
歌手・いしだあゆみのヒット曲で、横浜を代表するご当地ソング 08年12月23日〜
井土ヶ谷 さくら
verB/verA[動]
音楽グループ「ケツメイシ」の曲。リーダーの大蔵が井土ヶ谷出身。近くの大岡川プロムナードは市内でも有数の桜の名所 15年3月18日〜
上大岡 夏色
サビ/Aメロ[動]
横浜市磯子区出身のフォークデュオ「ゆず」のデビューシングル曲 08年11月25日〜
金沢文庫 MY HOME TOWN
サビ/メロ[動]
横浜市金沢区出身の歌手・小田和正の曲。出身地である横浜を歌った 08年12月22日〜
金沢八景
Aメロ/サビ[動]
音楽グループ「EXILE」のいわゆる卒業ソング。リーダーのHIROは駅近くの市立金沢高校出身 08年12月22日〜
追浜 熱き星たちよ
verC/verD[動]
プロ野球・横浜ベイスターズの球団歌。駅近くに2軍本拠地の横須賀スタジアムがある 18年11月19日〜
横須賀
中央
横須賀ストーリー
サビ/Aメロ[動]
歌手・山口百恵のヒット曲。幼少期から横須賀市で過ごしていた 08年12月18日〜
堀ノ内 かもめが翔んだ日
サビ/Bメロ[動]
横須賀市三春町出身の歌手・渡辺真知子の代表曲 08年11月21日〜
京急
久里浜
秋桜
サビ/Aメロ[動]
横須賀市ゆかりの歌手・山口百恵の曲。当駅最寄の「くりはま花の国」はコスモスが名物 08年12月10日〜
三浦海岸 岬めぐり
verB/verC[動]
フォークグループ「山本コウタローとウィークエンド」のヒット曲。地元では曲のモデルは三浦半島であるとされている(実際にはモデルになったという事実はなく、作詞した山上路夫は全国の岬を訪ねて回った総合的なイメージで書いたという) 17年2月10日〜
三崎口 岬めぐり[動]
現在不使用
08年12月10日〜17年1月13日
城ヶ島の雨Ver2[動] 三浦半島にある城ヶ島周辺の情景を歌った曲。三浦市に住んでいた詩人・北原白秋が作詞。 17年1月13日〜
空港線
羽田空港
第3
ターミナル  
世界に一つだけの花
サビ/Aメロ[動]
現在不使用
アイドルグループ「SMAP」のヒット曲。羽田国際線就航便のメインとなるアジア地区で人気の高いSMAPの曲で、訪日客に「日本に来た」と感じてもらうための選曲。 10年10月21日〜15年10月21日
Dragon Night
サビ/間奏[動]
現在不使用
ロックバンド「SEKAI NO OWARI」のヒット曲。空港線沿線の大鳥居駅近くに、バンドが活動拠点としたライブハウスがあることにちなむ。駅開業5周年記念で変更。 15年10月21日〜20年10月20日
ハッピーバースデー
verB/verA
現在不使用
原曲名「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」。駅開業10周年を記念し、お祝いにふさわしい曲として採用。かねてから同社のCMソングにも使われていた。 20年10月21日〜11月20日
パプリカ
verB/verA
シンガーソングライター・米津玄師がプロデュースした小中学生5人組ユニット「Foorin」の曲。ダンス動画が話題となり大ヒット。英語版も制作され世界でも知られていることから、国内外からの乗客を迎えるのに相応しいとして選曲。
20年11月21日〜21年1月8日、12月27日〜
(上り)
RAINBOW[動]
現在不使用
ダンス&ボーカルグループ「三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の曲。「3」がつく駅名にちなんだ、デビュー10周年記念イベントの一環。 21年11月8日〜12月26日
(下り)
R.Y.U.S.E.I.[動]
現在不使用
羽田空港
第1・第2
ターミナル
赤い電車(サビ)[動] (品川と同じ) 08年11月18日〜
大師線
港町 港町十三番地
サビ/Aメロ[動]
歌手・美空ひばりの曲。彼女が所属していた日本コロムビアのレコード工場が、かつて駅前にあった。曲名の「港町(みなとまち)」も当地名(読みは「みなとちょう」)に由来。 13年3月1日〜
川崎大師
上り/下り[動]
現在不使用
歌手・美空ひばりの曲。川崎大師にゆかりのある作曲家・古賀政男が手掛けた。古賀は川崎大師を信仰し「川崎大師讃歌」を作曲、境内には銅像がある。 14年5月1日〜15年4月30日
逗子線
逗子・葉山 LIFE[動] 逗子市出身のユニット「キマグレン」の曲。当初の採用曲の中で最も新しい曲。 08年11月21日〜
本線
浦賀 ゴジラのテーマ[動] 特撮映画「ゴジラ」テーマ曲。地元では浦賀・観音崎近くのたたら浜が怪獣ゴジラの日本初上陸の地とされている(ただしそのような設定はなく、作中で流れた「観音崎北東15マイルの海中」にゴジラを発見した、という警戒放送が拡大解釈されたものである。実際の初上陸地は北品川駅近くだった) 08年11月21日〜
※メロディーは停車列車のみ
※曲名は原曲名ではなく、駅メロディーアレンジ版の曲名に基づく
※背景灰色の駅・メロディーは現在使用してない
※メロディーを使用していない駅は記載していない

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