ご当地駅メロディー資料館-ご当地メロディー・イメージメロディー
JR北陸新幹線長野〜金沢各駅

北陸新幹線「E7系」
北陸新幹線の「E7系」。東京〜金沢間を最速2時間28分で結ぶ
北陸新幹線沿線のご当地曲
(JR北陸新幹線長野〜金沢各駅 発車)

 2015年3月14日に長野〜金沢間が開業した北陸新幹線。東京から金沢までおよそ2時間半で結ばれるようになり、沿線自治体は開業を機に地元のPRに力を入れている。そこで目を付けたのが駅の発車メロディーで、ホームで曲をとおして我が町を知ってもらおうと、開業前から要望が相次いだ。運行するJR東・西日本も「新幹線に親しみを持ってもらいたい」との認識は共通しており、地元の意向を尊重した。

 JR東日本が管轄する長野〜上越妙高の各駅では、自治体からの直接の要望により実現。対するJR西日本が管轄する糸魚川〜金沢の各駅では、事前に同社が採用方針などを自治体に伝え、楽曲の提案を受け付けた。その結果、長野〜金沢間の全8駅で、地域色豊かな発車メロディーが採用された。このうち長野駅の「信濃の国」は、開業に先立ち2015年1月31日から使用されている。

 駅によって曲の種類もさまざまだ。長野〜糸魚川の各駅では、地元にちなんだ唱歌などを採用。富山と金沢では、その地域をイメージしたオリジナル曲を制作。黒部宇奈月温泉は地元のイメージソング、新高岡は特産品「高岡銅器」のお鈴で演奏した曲である。また地元出身の著名な音楽家が制作に携わったところもある。富山駅の須藤晃氏(1952-)は歌手の尾崎豊(1965-1992)や玉置浩二(1958-)をプロデュースし、金沢駅の中田ヤスタカ氏(1980-)は音楽ユニット「Perfume」や歌手・きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲を手掛けるなどの実績を持つ。

 新幹線でこれほど多くのご当地駅メロが一度に採用されるのは初めてで、新幹線に対する地元の意識と期待の高さがうかがえる。

駅名 曲名 備考
長野 信濃の国[動] 長野県歌。1900年につくられた県民誰もが知る曲。県の中心駅にふさわしいとして採用。変更費用は150万円。制作は(株)スイッチ、アレンジは福嶋尚哉。
飯山 故郷[動](下り)
故郷[動](上り)
長野県飯山市の隣、中野市出身の文学者・高野辰之(1876-1947)が作詞。曲が飯山のイメージに合致し、両市が含まれる地域ブランド「信越自然郷」をPR。制作は(株)スイッチ、アレンジは福嶋尚哉氏。
上越妙高 夏は来(き)ぬ[動](下り側)
夏は来(き)ぬ[動](上り側)
新潟県上越市出身の作曲家・小山作之助(1864-1927)の曲。曲名は「夏が来た」の意。田植えやホタルなど初夏の風物を歌っており、曲をとおして地域の美しい自然や文化などをアピール。制作は(株)スイッチで、アレンジは塩塚博
糸魚川 春よ来い[動] 新潟県糸魚川市出身の詩人・相馬御風(1883-1950)が作詞。糸魚川は雪が多く、春が待ち遠しい気持ちを歌っている。
黒部
宇奈月
温泉
煌(きらめき)
〜水の都から〜
[動]
富山県黒部市と新幹線開業をPRする地元のイメージソング。元々は2014年に放送された黒部を特集したテレビ番組のテーマ曲。作詞・作曲は富山市出身のシンガーソングライター・高原兄氏
富山 オリジナル曲[動] 「富山の水とガラス」がテーマ。富山は豊富な水源に恵まれ、ガラス製造も盛ん。「豊かな自然に育まれた清流を穏やかに流れる水の調べ」と「ガラスの街が奏でる煌びやかなイメージ」を融合させたメロディー。制作は富山県射水市出身の音楽プロデューサー・須藤晃氏。
新高岡 オリジナル曲[動] 富山県高岡市の特産「高岡銅器」でつくった仏具、お鈴で演奏した曲。同市福岡町で継承されてきた、雅楽で用いる打楽器と弦楽器も組み合わせた。市内の国泰寺に伝わる尺八の曲「突引(とっぴき)」がモチーフ。制作・演奏は小矢部市出身の雅楽奏者・太田豊氏。
金沢 オリジナル曲[動] 「金沢の山から海にかけての起伏ある自然条件」「伝統と創造が調和するまち」「北陸新幹線のスピード感と快適性」を表現。制作は石川県金沢市出身の音楽プロデューサー・中田ヤスタカ氏。
※駅メロディー用音源の正式曲名
信濃の国…「信濃の国/北陸新幹線「長野駅」駅メロディ」
故郷(下り)…「ふるさと/北陸新幹線「飯山駅」駅メロディB(下り)」
故郷(上り)…「ふるさと/北陸新幹線「飯山駅」駅メロディA(上り)」
夏は来ぬ(下り側)…「夏は来ぬ/北陸新幹線「上越妙高駅」駅メロディA(下り)」
夏は来ぬ(上り側)…「夏は来ぬ/北陸新幹線「上越妙高駅」駅メロディB(上り)」
オリジナル曲(新高岡駅)…「北陸新幹線新高岡駅発車メロディー」

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