ご当地駅メロディー資料館
JR人吉駅

人吉駅
人吉駅。人吉城を模したからくり時計からは「球磨の六調子」が流れてくる

犬童球渓と球磨地方の歌
(JR肥薩線人吉駅 発着 特定列車)

 熊本県のJR人吉駅ではかつて急行列車の発着時、地元にちなんだ音楽が流れていた。

 当初流れていたのは唱歌「故郷の廃家」で、人吉市出身の詩人・犬童球渓(いんどう きゅうけい・1879-1943)が訳詞した曲。犬童は西洋の曲の訳詞に力を入れ、この曲もアメリカ歌曲に日本語の詞をつけたもの。1907年に発表された「中等教育唱歌集」に掲載されたことで広く歌われるようになった。観光施策の一環として「故郷の廃家の里」をPRしようと、市がホームと駅舎にスピーカーを設置し放送していた。

 1999年5月、駅舎のスピーカーが何者かに盗まれる事件が発生。行方は分からず終いで、その後新品を設置した。2000年頃には楽曲を変更。犬童作詞の唱歌「旅愁」をはじめ、2003年に歌詞を公募し、「青葉城恋唄」のヒット曲で知られる歌手・さとう宗幸が作曲した「球磨川」、県民謡「五木の子守唄」「球磨の六調子」の4曲となっていた。

(参考:1992年7月21日読売新聞東京版夕刊、1999年5月19日同紙熊本版、2000年4月13日同版)

期間 ホーム 曲名 備考
当初
(2000年頃まで)
すべて 故郷の廃家
現在不使用
唱歌。人吉市出身の詩人・犬童球渓が訳詞。
元はアメリカ歌曲。
その後 旅愁[外部]
(ごく一部)
現在不使用
同上。
人吉市出身のソプラノ歌手・水野貴子氏が歌ったもの。
球磨川
現在不使用
美しい球磨川の景観を歌った曲。
作詞は人吉市在住の画家・坂本福治、作曲と歌は歌手・さとう宗幸。
五木の子守唄
現在不使用
熊本県民謡。
近隣の五木村に伝わる子守歌で、県民謡の代表格。
球磨の六調子
現在不使用
熊本県民謡。
球磨地方での祝い事や宴席で歌われる。
※すべて急行のみ

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